中央線の駅から徒歩10分程度に建つ、5軒の重層長屋によるコーポラティブハウス。 敷地は「松庵森の家」からほど近い、西側に開かれた生産緑地を望む旗竿敷地。ウエットな森に包まれた感じはなく、むしろ乾いた印象であり、5組の家族がしっかりと大地に根を生やし、大きな幹の周りにまとわりつきながら空に伸びていくような、連続的な運動体としての集合住宅をイメージした。
I型とL型の平面の住戸が地下から地上3階まで螺旋状に連続するプランとし、5組の家族が1枚のプレートを共有してつながる大きな家のような構成とした。
東西南北すべての面で都市と等価に接するよう、さまざまな大きさの開口を配置した。どこが誰の家であるという明確な境界を決定しないよう、開口の大きさは全て異なり、またどの壁に対しても開口の量を同じくらいにすることで、内部の個々の生活を建物全体を通して想像させ、建築の全体性を強く意識付けることになっている。
住人の”緩やかに共有する”という感覚に応えるため、個々の多様な暮らし方を尊重しながらも集まって住むことの楽しさを共有できるような集合住宅の提案である。
撮影:坂下智広
・敷地面積 274㎡
・建築面積 123㎡
・延床面積 380㎡
・階数 地上2階・地下1階
・構造 RC造
・主要用途 集合住宅
施工会社様からのレビュ→<a href="https://www.houzz.jp/viewReview/1226597/review/">https://www.houzz.jp/viewReview/1226597/review</a>